下らない私事に及んだ話で恐縮でありますが、小生、戦車プラモの原体験といえばフジミ(1/76)のチェコ製38(t)軽戦車だったというのは既に過去別稿で語った通りなんですが、その38(t)…この度タミヤから(既作48に続いて)待望の1/35版がリリースされ手に届きました。
同じ写真に写ってる箱は、その過去幾度となく見た「夢」の残滓とも言える罪…イヤ…「積み」で、この他にも自走砲型/対空砲型と同じハルを持つ派生型に加え、ヘッツァーなど親戚車両も含めると唯一コレクションで異彩を放つ存在の一部であります(苦笑)。タミヤ製を諦めていた…という証拠でもあり、F-14のタミヤ1/48発売辺りから先程発売になったP-38も含め、今更ながら「夢が現実化」する範囲が拡大していっておりまして、さながらSWのパルパティーン皇帝のEP-VIでのセリフ…
『Everything that has transpired has done so according to my design...』
という心境であります(※)。但し劇中だと彼はその後思いっきり否定されて死ぬんですが(苦笑)。
特別な切欠が在ったわけではないんですが、以来何か惹かれて止まないんですなこの軽戦車…チェコ製ってのも良いよね。
(※)誤解されっとイヤだから云っておきますが、別段私がフォースを発揮したとか言いたいわけではない…
その点、何らも寄与していないと断言いたします-爆-
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競合する前出のホビーボスが胴体形状(特に上から見た図)が悲惨だっただけに、それを駆逐する出来には十分仕上がってると思いますが、スピナー周りだけはどうもいただけません。自前で修正しましたが、もうちょっと待ってれば良かったかな…今じゃレジンで修正パーツ手に入りますね…。
仕上げに及んでは背中とV-Tail上端及び右翼下面にあるアンテナを追加、主脚にブレーキ・フールドの配管…程度です。この時期、電子機器も小型化高出力化が急上昇してますんで、もう張り線とかなくて済むのはありがたいですね。あ~主翼上面の脚収納インディケーターも追加したんですが『おわかりいただけたであろうか…』ですね、赤で彩色されてると大泉怪鳥様から伺ったので『赤ランナー』を伸ばして植え込んでいます。そのせいで微かに見て取れますな。当時の稼働機でカラー写真による確認が出来ませんでしたが、怪鳥様を疑う理由がありませんので素直に信じています。ホントその節はありがとうございましたです。『爆装で偵察用カメラ装備とかあるわけ無いじゃん!』と知ったかぶりの考証ONLYジジイが突っ込んできたら、『イエ実機がそうしてますんで…』とやり返せるイヂワル仕様だったりして(笑)。
コレも写真じゃよく判らんのですが、翼端灯はクリアパーツ全体に彩色するのは間違いで、カバー自体は無彩色クリアです。内部の角に彩色された電灯がついているので、模型的には内側からピンバイスで彫りこみ、中にクリアーレッド/ブルーを点塗りするようにしたほうが実機に近い表現になります。
穴だけ空いてて取り付けが最後になった左舷側のリトラクタブル・ラダーステップとハンドルはご覧の通り上下互い違いに取り付けとなります。48では微妙で写真でも判らないんですが、ステップは横から見て上面が水平に近くなるよう加工が加えられています。
←あまり意味もなく正面から。主翼前縁のハゲチョロはヤリ過ぎ…。機銃はパイプではなく、自分で1.2mmの丸棒にピンバイスで開口したものに置き換えたのですが、接着してないのでアライメントが上下揃ってませんね(爆)。済みません、手前に毛埃が写ってますね、最近こういうの老眼のせいで気づきません。
←ブレーキ・フールドの配管ぐらいでドヤ顔したいわけでもないのですが、見事にプロペラ・ブレードの影でソコが見えなくなってる辺り全くの無駄ショットですハイ。切り飛ばした関係で紛失した脚扉のアクチュエータはプラ棒でわざわざ作り直してます。ってか、これ資料本にあった実機(#155)のアングルを真似して撮ったものでした(笑)。
SeaFuryっつーくらいで擬人化するなら「女神キャラ」なんですが、何とも男前な戦闘機だと思っております。逞しい。5葉ペラってのも寄与してますよね。ただ残念なのは配備が遅すぎて日本機と戦えなかったところ…。すでにジェットが席巻し始めた朝鮮戦争では活躍の舞台も限られ目立たぬ生涯を全うしました…。
さすが、タミヤ製のミニ四駆用ベアリング…よく回ります。例によって『カメラ騙し仕上げ』になってるので写真だと「一瞬つや消し塗装」ながら、よく見れば主翼上面に胴体が写り込んでる…という我ながらツマラナイ拘り…。まぁ、人それぞれでしょうが、肉眼で見て「塗面が#800の耐水ペーパみたいな飛行機」は見てて『心折れる』ので、ここは絶対に譲れない私です。
キャノピー閉まったり閉じたりは「なんちゃって可動」になってるからであります。
因みに態々作ったラダーですが、主脚と連動になってるので(脚出しの)陸上では必ず開いていなければならないそうです。一方後方のハンドル(手掛)はマニュアルらしく、飛んでんのに閉じ忘れの写真がいくつか見つかりますね。
因みに今回の配管は伸ばしランナー。黒のランナー使ったんで彩色せんで済むという理由からですが、何箇所か分断せねばならず結構難しかったです。
なお、全体の塗装はいつも通りブレずにグンゼの#333のエキストラダークシーグレイと#26のダッグエッググリーンで、後者は最近のロットのものはそのまま塗ると模型的には濃く見えるので白を混ぜて彩度を落として使っています。当然のこと3/4グロスで塗面はツルピカです。実機がそうだからね。
ホビーボスのキットの影響でしょうか、ビシバシリベット打たれた完成が結構目立つのですが、資料見てもそんな風に見えるものは殆ど無く、また例によって排気のスス汚れも今回資料写真が綺麗だった…という理由もあって割愛しました。
SQもキット付属のH.M.Sグローリー配属の801NAS、1952年当時のものとしました。本当ならタイヤのトレッド・パターンなんかがキットと異なっていますので、その点考証通りになりませんがお許しを…。
御他聞に漏れなくFAA機なのでマーキングが地味でSNS向きと云えず、加えて作者が僕なので悪しからずご了承ください。
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既に発売時期から遠ざかっており、読者様各位には何の新鮮味もないアイテムですが、個人的にはFAA機コレクションには欠かせない一作となりました。細かい点で修正や補強の必要なキットではありますが、まぁそれは愛情があった故に素組できなかっただけだとお察しください。普通にSeaFuryの雰囲気を楽しまんとされる向きには十二分なキットでありまして、タミヤ製とまでは行かなくても、作り易さの点では昔のAirfixを知るものとしては昔日の感を深くいたします。ま、ホビーボスも作ってしまえば「別にFw190に見えるわけではない」んで構わんのですが、こちらの圧勝で良いと判断いたします。何にせよ、とにかくこれで『愚友だの字』に揶揄されぬように出来たのが何よりでございます(爆)。
では、年内にあと最低一回は更新いたしますんでそれまでごきげんようでございます。