おいおい! 『完成前夜祭』とか云ってたやんけ! と石礫が飛んで来そうなのを覚悟で今日も「箸休め」です。ちゃんと理由があるんです(涙)。
←ラダーのCAG仕様の塗り分けを無難に過ごし、下面色も吹き終わって「さぁーあとはマスクしてグレーだけやな!」と意気込んでた頃、フジミA-7の胴体がツルリと手許を離れ…
『ヤバい!落下破損してまう!』とお腹に抱えるようにして落下を阻止したんですが、その勢いに負けて垂直尾翼が根本からボキ折れました(笑)。
『えーウソやろ!』
思わず声に出ましたよ。愛娘もビックリ!
抱え込む…ったて、そこはそれプラモでっさかい力加減は高が知れてます。通常折れるような出力は加えてないという自覚があります。そう、プラが相当劣化してるようなのです。
←予感はこの部分の破損でありました。何かの拍子でパキッとやったらしく無駄に補修作業が増えたところです。そういやー 胴体/主翼と一部のランナーだけ「変色」が激しく、ゲート処理がやたら難しかったものがありました。酸素、湿気、光(箱に入ってたんだから紫外線は関係ないと思われ)…等々プラ劣化の要因は様々なれど、少々不可解な事件ではございます。
何せ購入から20年以上経過してる部品とは云え、こういう経験は初めてです。この頃のフジミ製には気をつける必要がありそうですね。保管状態も環境も変わらない「同じキットの部品」が全て劣化状態ではなく、一部のみ…が何か「分子結合が劣化してる」感じです。まぁ、幸い塗装済みの部位は無傷でしたので、補修は出来ました。完成寸前じゃなかった…というのを救いにして気持を切り替えましょう(苦笑)。こんなわけで一週間完成が遠のいたわけです。今後も取り扱いに注意…落下厳禁ですな。
◇久々のノーラン映画
で、本題。先週水曜、会社後半休して観てきました。話題作『オッペンハイマー』です。IMAX上映のため池袋まで出かけました。
まぁ、御存知の通りピューリッツァー賞の著作物を映画化したんで駄作になりようもないのですが、三時間近い上映にも関わらずあっと言う間でした。そういうのは私の経験上名作が多い。
今更内容を語った所で著作物で語られてる以上にも以下にもならず、そのへんは『まぁ観てください』としておきます。
理系の末席を穢しまくってる存在の私でさえ、フォン・ノイマン博士、アルベルト・アインシュタイン博士に並びリスペクト対象のTop3に上げる人物:このオッペンハイマー博士は云わずと知れた『原爆の父』であります。
博士について、被爆国の国民感情からは称賛しかねる…なんて『聞いたふうなクチ』を利く輩も多い。ですが私は敢えて申し上げますが『本当にそう思うのか?』と…。
以前、原爆使用に関し『虐殺だー』とか云うトンチキに向けて一石投じたアーティクルがありましたが、批判する側の多くが『じゃーアンタ、あそこで落とさなきゃ、アンタが今送ってる人生は無かったことになってたかもよ?』という問いかけに、ロジカルな回答を示せないだろうよと…。トルーマンの決断の尻馬に乗って(アンタ等の爺さん婆さんが生きながらえたから)この世に命を繋げてる連中が、一体何を言ってるんだよ!と…。
そこまでの考察がないから『お気楽日本人』とバカにされるんだし、ガンダムの富野みたいな事を云うバカが後を絶たないのです。
その富野に代表されるような『原爆開発者に対するバカ発言』の多くは、『マンハッタン計画』を『点』でしか見ておらず、当時ナチが先に実装するかも知れない…なんて巨大な懸案事項を無視してるワケ…。
全く馬鹿げてます。
どっかで見た顔だな…と思ったら、あの大島渚の奇作『戦場のメリクリ』のローレンス中佐やってたトム・コンティ氏であります(笑)。懐かしい…。いやぁーそっくりなんだものアルベルト…。
あのキ◯ガイ国家が核武装するかも…なんてのを想像すれば、オッペンハイマーならずとも連合国側の、特に核物理学に明るい連中の抱く危機感は計り知れないモノです。映画にもその緊張は有り有りと描かれていました。彼がしたことは『必然』だったのであります。
事程左様に『点』でしかモノを見られない痴障共は『ナチに先に原爆開発され連合国が負け、気の狂ったチョビ髭とコソドロ市ヶ谷の支配する阿鼻叫喚な世の中になってた方が良かった』とでも申されるんだろうか? 本気で言ってるなら全くどうかしている。そう、(真意はどうあれ)オッペンハイマー博士を批判するということはそういう(思慮を欠いた)ことに等しいのです。
こうした理路整然な合理的理由があってもなお、『原爆の父』自身は苦悩する…。自分のしたことは正しかったのか?と…、そういうネガティブな一面も過不足無く描かれていて、彼に対する無知を自認する人は注目して観て頂きたいと思うものです。
私は被爆国の国民ですが、最初のプルトニウム弾の実験が成功したシーンを見て、当時そこに居たであろう関係者にシンパシーを覚えた程です。素晴らしい成果であると…。
また、ホワイトハウスに呼ばれ、トルーマン大統領(これがまた、G・オールドマンが演じてて、最初気付かなかった程だ-笑-)に『責められるのは使うと決めた私だ』と慰労された局面では目頭が熱くもなりました。
そんな事を書くと『貴様は被爆者やその御遺族の心情がーー』とか云い出す偽善者が必ず現れるんだけど、えっとね、過去の発言と重複しますが~
「戦争被害者の中で原爆被爆者だけ何故特別扱いするの?しなきゃなんないの?」
(私も伯父をインパールで亡くしてますが?何か?)
「戦争というのは負ければ死ぬというリスクがあるの、死ぬの嫌ならやらなきゃ良いのよ。当時の日本人て戦争したがってた人が大半だったでしょ? 違うの? 米内閣下の『反戦内閣』を潰したのは一体誰?アメリカやイギリスじゃないでしょ?」
「で、真珠湾攻撃の次の日提灯行列して鬼畜米英って喜んでた国民は、空襲で死ぬ前には改心して反戦叫んでたの?違うでしょ?言い換えればある意味自分で選択した末路でしょ?」
と繰り返すだけです(笑)。
「因果応報」を論ずるとき、そこには「点」ではなく「線」として事象把握が必要なのです。この作品は改めてその辺りを考えさせるに(原作も含め)十分な名作でした。
話すとキリがないので割愛しますが、主演のキリアン・マーフィーを始め数々の名優が脇を固めていて、その点も「魅せる」映画になっております。私は円盤も購入し吹き替えを楽しみにします。"パシフィック"のマレックとか、"チャーリー"のR・ダウニーJr(彼には是非とも大塚芳忠氏を!)とかね…もう泣きそう(笑)。
まぁ、自分等の手でムッソリーニを捕まえて逆さ吊りにしたイタリア人達を「ヘタリア」とか云ってバカにしてるようなトンマばっかりの日本人(本当に日本人が優秀ならサイパン堕ちたとき、東條英機に同じことやってる筈)がオッペンハイマー博士を云々とか、失笑するしかないんですけどね。流石に映画館前で赤旗持ったバカが「上映をやめろー」とかしなくなっただけマシになったんでしょうか?
ひょっとしたら原爆落とされずに「本土決戦」で一億玉砕したほうが地球のためになってたのかも…。
SNSでよく見かけるバカ連中を見るにつけ、そんな風に思わないこともない日常です(苦笑)。
何かどさくさ紛れに映画感想ならず『自国民評』みたいになっちゃいましたが、いつものことなので…、『自国民マンセー』とか北朝鮮みたいな気持ち悪い精神性は持ち合わせていませんので、あしからず。
そんなわけで、図らずも二週連続の箸休めになってしまいましたが、最後まで笑ってお付き合い下さった方には感謝多謝であります。
来週こそ(?) A-7、決着つけたいですがぁ~どうなりますやら(笑)。