Go Navy! (乙)

プラモや造形やりたい放題! (>o<)

September 2017

待望のタミヤ ビックリ・エイブラムス到着 ( 1/16 M1A2 )5

 ここへ来てエース:メッセンジャーの故障が響いてきている投手陣。No.2秋山に負担がかかってるのは明白で虫の息の我がタイガース。読売の弱者苛め『菅野』を皮切りにして3試合連続で完封負けを喰らい、2位の座も風前の灯という感じでようやくの『閉店モード』。一方で後半戦、唯一の得意サーキットと言って良いシンガポールGPでセブがやらかし無得点のフェラーリですが、ここも粗終戦が確定したのでようやく落ち着いた2017年主要スポーツ観戦趣味…、まぁ、近年では楽しめたシーズンだったので虎も跳ね馬も来年また頑張ってくれというところか…、贅沢を言っちゃいかんのだよ、贅沢を…。

   ◇

Fukuya01 さて、ついこの間お盆休みにやったかと思ってたら、この9月末に東京ビッグサイトにて
開催される『ホビーショー』の関係で坂西クンが上京するため例のメンツで昨夜盛り上がった。
偶にはということで、私にとって『神』であり『師匠』でもある後藤、中川 両御大の御尊影(笑)
Fukuya02今回は趣向を変え、通常と違う店舗にてとなったのですが、カレーも角煮もメッチャ美味くて感動。いやはや今回のトピックは私がリスペクトして止まない某フィギュア原型師の正体が判明したという驚愕の事実(感涙)。しかしまぁ、 いつもと違う店で、いつもと違うノリで大いに盛り上がりました。

   ◇

700BB63pv02 メインの前に、序で恐縮だが最近飛ぶ鳥を蹴散らす勢いの新興メーカMengの1/700艦船シリーズ、BB-63 U.S.S. ミズーリを入手したんで紹介しましょう。
 本艦は僕にとってアリゾナ、サスケハナに次ぐアメリカ海軍においてのシンボリック・アイテムでして大和なんか足元にも及ばない憧憬の存在。ところがこのスケールでは長年大嫌いな『洋上モデル』しかない状態が継続していて残念至極だったわけですが、これでようやく終止符が打たれました。
700BB63pv01←おまけにコレです(爆)。
あっという間に無塗装でココまで形になります…。そう、バンダイ並とはいかないけれど成型色を分けたパーツの組み合わせにより、塗装なしでも可也の完成度でフルハル・モデルが手に入る…という趣向。もちろんちゃんと塗装し、手を入れれば更に良くなるのは言及不要。
写真で甲板が浮いてるのは、スナップキット故に私が事前にダボの効力を弱めていた所為であり、製品の嵌合が悪いわけではありません。そうしないとバラせなくなるから仕方がないのです。Mengのキットは大陸製品としては嵌合精度は優秀なものが多いです。
700BB63pv03一応大戦末期をモデライズしているので、甲板パーツはシーブルー成形。それはOKなのだが、僕は700でこの濃さは少々印象が違った。
←写真はNaval Historical Foundation掲載の例のシーンの写真ではあるが、この程度の俯瞰でも甲板上の色は可也明るく見えてしまう。
1/700という些か常軌を逸したスケールだと、この辺の匙加減が微妙に難しいのですがもうチョット彩度を落とした色に塗ろうかと思っています。
 しかし、昨今のモデラーは羨ましい限り…。

   ◇


 さて、本題。

 今般、僕とすれば待ちに待った1/16のエイブラムスがタミヤから発売となった。
こいつはトランペッター(以下:ラッパ)が先行していたアイテムだが『いや、絶対俊作会長なら出してくれるぜ』と購入を我慢し続けてた甲斐があったというものである。
48トムキャット程では無いにせよこのビッグ・スケールでのM1は、当時はモデラーという立場では無かったものの遠い中学生時代にM4シャーマンのRCキットがタミヤから発表された時の衝撃を知る者として、『そんなもの欲しくても買えないパンピーの悔しさ』の反動を伴って増幅された『夢でもあったわけでして、発表即発注もさもありなんというところでありました。
なんてったって、当時影も形も無かったM1が出る前提でパーシング出た時でさえ買わないで居たんですからその我慢たるや想像もつきますまい!
 もちろん、このスケールに手を出すのは生涯初めてであります。加えていうなら1/25でさえ、『同級生の肉屋の御曹司のコレクション』を垂涎して眺める他無かった存在故、偉そうにレビューを打てる程の経験も実績もないのでそこは割り引いて暫しお付き合い願うものとし、早速見てみましょう(ワクワク)。

16M1A2pv01 届いてまず箱の大きさが『それ程でもない』というのに少し拍子抜けしました。
クラウツ・レベルのデカ箱(ロンドン二階建てバスとか…)と粗同じ大きさで(って判る人もそう多くないか…)、積むだけならそんな邪魔になるような大きさではなかった事に少し驚きます。もちろんパーツはゴッソリそこに収まるほどで1/16は初めてだけに意外という印象でした。
16M1A2pv06プレヴューを適当にチェックしてただけでこの1/16シリーズについては情弱でしたので、箱を開けてココで始めてトラックは『連結済で後は塗るだけの半完成状態』ということを知りました。
16M1A2pv02もとよりAFVは余り得意ではないトビモノ・モデラーですので、1個1個コマを連結するとか1/35でもやりたくないし、ベルト式大歓迎な性質だからコレだけでもう完成させたような気になります。加えて重量感溢れるダイカスト成型品にゴムパッド装着済と来ていますから『最近のビックスケールは贅沢に出来てるワイ!』とジジイ丸出しの心境です。ラッパだとプラ製で全部自分で組まなきゃなんないらしいからそこだけで値段の差は埋まるというもの…。
16M1A2pv03 さらに加えてアルミ製シャーシがドヤ顔で鎮座ましまし…。ここもラッパだと『プラモデル』だから立派なモンです。つか、プラモだから『プラ製』が悪いとは云わないけどね…そこは好みもあるでしょう。
 バレルも金属製の一体ヒキ物で用意され、贅沢過ぎて笑うしかない。
16M1A2pv07今時1/35でも珍しくないマテリアルではあるが、やっぱ昭和のジジイには嬉しい事なのですよ。やっぱラッパを買わずにおいて良かったと心から思います。

 さて、ここまでは1/16というデカイ戦車プラモ購入初体験が隠し味の感動になってますので、よく鍛えられたモデラーには『そんなの当たり前!何騒いでんだよ?』なのかも知れません。感動ばかりですと何だ楠木はタミヤの社外宣伝担当か?と思われてもアレなので、以下は僕が『ムム?』と思ったことを少し書きましょう。

16M1A2pv04 そう、このキットには1/35のライフィールドやMENGがしっかり再現しているようなインテリアのパーツが殆ど含まれて居ないのです。その昔、八重洲の大丸に模型売り場があった頃、ショーウインドウに数多く飾られていた作例を見てワクテカしていた者として、『ビッグ・スケールはカットモデルなんぞにして中を再現して魅せる…』というような事ができて当然というスリコミがあります。

(今でもAFVプラモにある種の畏怖を感じるのはこの時の思いがトラウマになってると言えます)

16M1A2pv05ですからこの内容には少々驚きました。ターレットはストッパーで開閉可能という作りになっていれば尚更『出来んコトもなかろう?』と思い至ります。
 但し…同じM1に限ってみればラッパもそこは同じです。1/16という巨大スケールならではの内部再現キットではない点では両社共通しています。
つまり、定価4.8万円と言う事を考慮すれば、ディスプレイ・モデルと言いながら、何と言うことはないミリタリー・ミニチュア・シリーズ1/35キットの拡大版でしかない…という内容に過ぎないのではないか?という批判が生まれやせんか?ということです。果たしてそれは正しい批判なのでしょうか?

 その前に、本来AFVプラモとは?という原点を振り返りますれば、やはり主流はタミヤやイタレリが盛り上げた1/35情景模型というカテゴリーなんだと思います。この聊狂気じみた1/16スケールはおおよそ大邸宅にガレージ2~3戸抱えた富豪でもなければ情景模型などに使うことは叶わず…でありましょうから、やっぱりRCで動かしてナンボ…ということになりましょう。
 実際にリサーチしたわけではないので独自解釈ですが、タミヤの主要マーケットは米国となり、おそらく1/16の合衆国内での需要は『動かせて遊べる』点に付加価値を見出す層であって、そこを狙っての製品なんでありましょう~と想像いたします。
 最近のディスカバリーチャンネルなどで海外の『模型シーン』をよく目にしますが、あっちは巨大スケール=実物と同じ機能(飛ぶ、走る、潜る、動く)が当たり前…でありまして、そこはもう底辺人口からして日本とは雲泥の差があるようです。
 連中にしてみれば『何これ?デカイのに動かないのか?』となるのが『普通』なんであって、おおよそ1/16なんぞ『デカいのに内部表現?そんなの出来て当たり前でしょ?』となり、左程の感動を生まないのかと思います。
 米粒に毛の先ほどの文字で一筆書くコトで意味が生まれるのと一緒で、内部再現とか1/25とか1/35の『持ち場』だぜ…と今更ながら思うことしきり、で、『本来動きもしないディスプレイ・モデル』が1/16で発売される事態そのものが特異な事なのでありましょうという解釈が正しいのだと思いは至ります。1/16の動かない戦車プラモの内部表現=米粒ならぬ椰子の実に普通の大きさで字を書く…のに等しい無駄、無価値、無粋な事・・・なのだと思うわけであります。そもそも内部表現等、完成させるの大変なので僕自身要らぬ御節介だから『不満』にもならないと付け加えておきましょう。

 これには反証というかタミヤのスタンスがハッキリしていることの証左として、1/32エアクラフト・シリーズは飛行機であって『飛ばせることは叶わない』プラモを出すにあたり、タミヤさんはエンジンその他内部再現をしっかりやってくれているではないのヨ!という点が挙げられましょう。『飛ばないならせめて飛びそうに見せる』のが価値になっているジャンルなのです。その点流石タミヤだけにポリシーとかイデア(理念)がしっかりしています。
 という訳で、このインテリア無し1/16 M1A2について、タミヤさんは決して手抜きをしているわけではなく、そこはむしろ『高価なRCを買えない層にわざわざ別枠でディスプレイ・モデルを用意してやったんだぜ感謝しな!』(こんな高飛車かどうかはともかく)というスタンスであろうと思うわけです…。

 それにしても1/16です。完成後の迫力はさぞや…と思うわけで実勢で3万ちょっとの売価ならエイブラムスのファンなら決して御高い出費にはならないという結論になります。とにかく素晴らしい出来でございます。私事ながら、僕はコイツを何とかマリンコのM1A1Commonに改修(本体だけなら殆どA2からなら無改造といっていい)し、嘘設定でも『現用を見学に来ました・・・』てな感じでサンダース大学付属高校の3人をスクラッチ(1/16なら35より楽に出来そうじゃん?)して乗せてみようか?などとニヤニヤしています(爆)。ま、デカイというけど1/32トムキャットや1/12のF2002なんかと比べればどっこいですしね…。それにしてもシュノーケルの自作が大変だなぁー。どこかレジンで出してくれんものでしょうか…。
 あ、末筆ながら嬉しいM1ネタとして1/48もとうとう発売される運びとなりました。そっちの方もこの先ブラッドレーやストライカーとかクーガーとか現用が充実する事を願います。

本日はこんな感じ。次回久々のプライヴァティアを予定しています。ではでは。

M93A2P2 FOX NBC対応装輪装甲車 1/35 RevellAG (Part3) 【まりんこゆみProject】

『死者をして死者を葬らしめよ』

 先達、私の人生において、何かにかけて少なからず示唆を与えて下さってる友人(というには余りにも年上なので"大先輩"とすべきで恐れ多いのだが、彼自身が最も好むとする表現なので敢えてそう記す、仮にS氏とする…)の父上が逝去された。享年101を越す長寿を全うされたわけで大往生だったそうです。日仏会館の理事をされてたりした方ですので名前を聞けば「ああ、あの方か…」と思い出される人も多かろう人物でして、大した葬儀になったに違いないと思われるかもしれない。

 しかしながら、故人の偉大なところは長男であるS氏に「死者をして死者を葬らしめよ」という言葉通りに大仰な葬儀等一切を行うなと遺言し、献花も香典も一切お断りせよと仰せられたというから大したものだと感動しました。ま、そうは云ってもS氏なりに親子の義は尽くしたいだろうから近親者を集めての葬儀は行われたそうです。

 死者をして死者を葬らしめよ…とは、かのキリストの言葉であるが、要するに故人は「死んじゃった者の為に生きてる者達が面倒くさい事で振り回されてくれるな!」という思いをS氏に伝えたというわけである。
とかく葬儀が立派だと『生前の御活躍が偲ばれます…』とか思慮無く云ってしまいがちですが、中にはこういう人も居るわけで人生いろんな締めくくり方があるものです。
 なるほど私自身リスペクトして止まないS氏のさらにオトウサンだけあって「すげぇな…」とただただ感嘆するばかりでありました。この場をお借りして故人の冥福を祈らんばかりでございます(合掌)。

   ◇

 はてさて、本当ならタミヤのビックリ・エイブラムス( 1/16 M1A2 )を入手してて狂喜乱舞の上ブログで簡単な紹介をする予定でしたが、未だ届かないので本題です。つってもFoxの方も大した進展が無く、今回は無視してもらってもいいかも知んない…。MENGのBB63 ミズーリーとか面白いキットの入手もあったんですが、また別の機会に紹介いたします。
 
35M9303d バルジ周りはちょっと修正入りましたが、無事下側ドアのヒンジ追加終わりました。オブザベーション・スコープのガラスを後嵌め可能なように加工しています。ドアの扁平率とかレイアウトが若干実車と異なっていますが、これはそもそもRevellが悪いんでして、上半分の台形を成す部分、全体的に車高が低くなるようにデフォルメ入っているからです。実車で52.5mm程天井が低い計算。底辺横の角度も実車よりやや小さくなってるのでこの辺の考慮を含んで各パーツの位置決めをすべきでした。
DSCN4808 前回SGカートリッジケースが大変だと触れましたが、とりあえずM1キットのパーツを雛形にして、プラ板で箱組みを行い4個でっち上げました。材料は同じ幅のプラ板を二種類(長めに)切り出すだけなので精度もバラツキ無く行えます。ここまでは簡単なんだよね…。

35M9303a Revellのミス…って程大袈裟ではないけれど、真横から見た時のホイールの軸位置に違和感があったので修正をしました。前2列はそれぞれ4mm程前に来てますので後方にずらし、カウルのホイールアーチにぴったり来るようにしました。サスペンションの取り付け等もそれに併せて加工しています。
 Foxは6輪駆動の前部4輪が舵輪で、キットは舵きり可能な部品構成にはなっていますが固定にしか組めません。Revellは神に誓ってでもいるのか1/24のF1マシンのキットでさえステアリングは固定主義みたいなので諦めてもいいのですが、僕は1/43より大きいスケールにおいて、自動車のプラモの車輪が回らなかったりステアリングが固定なのは許せない性質なので加工します。
 とは云うものの、このFoxは内輪差を考慮した前後列同期式になってるので加工が複雑でして、クーガーの時ほど簡単ではありませんでした。
35M9303c35M9303fご覧のように精密ビスのオンパレード、キットパーツも強度が不安な場所はブラスでパーツを自作し置き換え(或いは補強し)ています。先の改修の余波で取り付け位置が後方にずれた『前後のリンケージ』に見える部分がいわゆるパワステの助力込みになるステアリング・ホイールからの入力を伝える所です。
35M9303e分かり辛いとは思いますが、前部へはステア動作による短い距離の移動が長い距離の移動に変換され、後部にはその逆に伝わる仕組みになっています。だから、2列目の舵角は前列より小さくなるという事になります。ジオラマなどで舵切った状態にして完成させる人は注意しましょう。
 
35M9303b 今回のM93は まりんこゆみ企画 ですので同ヒロイン役の 1/35 南雲ゆみ を自作しました。ガルパン企画で慣れたのか、割と簡単に出来ました。
つってもご覧の通り相変わらずキミ・ダレヤネン状態ではあります。当初は4巻の表紙のコンバット・スーツ姿のイメージでいくつもりでしたが、アーマベストとか面倒だし、女の子なので沖縄駐留をいいことにタンクトップと短パン姿に…。右手に持ってるのは水筒です。
これで『酷暑の沖縄でFoxを洗車中、休憩で水入り・・・』という設定にでもすれば、車両の方も『余り汚さずに仕上げる』口実に出来そうです。
頭部はエポパテからのスクラッチですが、手足や胴体はMasterboxの例のヤツからの流用。ところがストレートに使うとゆみちゃんの身長は180cm近くになってしまうので、写真でお分かりと思いますが結局はパーツを切って削ってで胴体なんぞはスクラッチした方が早かったんじゃね?って感じです。例のごとくタンクトップ首周りから上を別分割。好きでやっといて何ですが1/35で鎖骨の表現とか死にます(汗)。

   ◇

 本日はこんなところ…。更新ノルマ回なので薄い内容になりましたが、次回はタミヤのビックリ・エイブラムスの予定です。
では、ごめんくださいまし。

M93A2P2 FOX NBC対応装輪装甲車 1/35 RevellAG (Part2) 【まりんこゆみProject】

 今年の一番推し戦争巨編だという事で観に行って来ましたよダンケルク。
Dunkirk02 まぁ本来のサイズではないものの、若干縦のサイズがワイドな35mmを見ようと、一週間限定だというので丸の内ピカデリーまで態々行ったのですが、何だろう?画質は悪かった様に思えます。
 ネタバレしないように感想を書くのは難儀ですが、一言で云ってしまうと(ある種のスピルバーグやイーストウッドに寄せるような期待に関しては)『前評判程では無かったぞ?』というところでして、戦争映画にしては良い意味で刺激的ではありませんでした。いや、映画としては素晴らしいものでして、決して駄作と申すつもりはありません。

Dunkirk03 時間軸としては3本、別々に脱出劇を進めていって段々収束していくという筋立てになってるのですが一方は夜間、もう一方は昼間という感じで途中までシンクロせずに進んでますのでこの編集は特異と感じます。だから見てて最初戸惑いました。
 出てくるスピットファイアも当然Mk.I系であまり好きなヤツじゃないので元々期待はしていませんでしたし、案の定実写だと云いながら取り立てて珍しいショットもありませんでした。普通に地味な空中戦(笑)。

 何か褒めてないな…。

 とにかくダンケルク撤退を描いてる映画ですんで、大嫌いなナチ野郎に仏英軍が蹴り出されるってシチェーションは仕方ないけれど、見ててクラウツ共への憎しみの感情がブーストされていき、そこが個人的に見てて腹立たしく面白くないんだと思います。

 白地にデカデカと赤十字を描いた救護船を爆撃するストゥーカとか、ドーバーを西に向かう非戦闘艦を情け容赦なく余裕ブッコいて低空水平爆撃するとか、座礁した漁船に向けてパコパコふざけ半分に撃ちまくるとか…、残虐非道なクラウツ共を歴史どおりに描写してるんでこのファッキン・ナチめ!と血が騒ぎます。
まぁ、『1年後にBOBで勝利し、4年後にオーバーロードで戻ってくんだぜ!』って歴史を知ってるので我慢が効きましたが・・・。

 追い詰められた若者が、何とか優先的に乗船するために負傷者を利用するだとか、一旦落ち着いたらまた爆撃されて船は沈み、浜に戻ってやり直しとか、そういうやるせない状況での醜態劇。そうかと思えばシェイクスピアの著作に出てきそうな英雄然としたジョンブル魂を発揮する『これぞジェントルメン』な男たち…。いろいろ出てきます。まぁ、『誰が悪い彼が悪い』と例によって善悪でしか語れない馬鹿には理解不能でしょうが、戦争という極限状態が生む人間のさまざまな姿が見事に描かれています。人間が悪いんじゃありません。『戦争』が悪いんです。あ、但し、これはドイツ人を除いて…の話です(爆)。

Dunkirk01 ラストではチャーチルのあの有名な演説が語られますが、そこには決して誰かが扮した卿の姿は現れず、これも地味ではあるけどもクリストファー・ノーランらしくて良い演出でした。
 ダンケルク撤退…、この時点で英仏は劣勢でした。負けは負け、決して『転進』などという欺瞞じみた表現で失態を糊塗するようなことはしなかったところが正に紳士です。英国がこのナチズムとの戦争にどう向き合っていたかの何よりの証左だったと云えましょう。本土に焼夷弾ばら撒かれ放題で防空体制も無いに等しい状況なのに『まだ勝ってるぜ!』とやってた精神性の我々と『育ちが違うよな』と思い知らされます
このダンケルクの出来事が、撤退だけであったならばただの『逃げ』ですが、そこに堂々と立ち向かった数多くの勇者達の存在によって、ある種の『勝利』も存在した事実は忘れることはできません。
 とにかくネタバレがあれなのでハッキリ云えませんが、絶望的状況での英雄的行為とはどういうことなのか? その答えを突きつけられるかのような映画です。そこに偽善や誤魔化しや虚飾は一つもありません。各々が抱く信念こそが唯一それぞれに存在するものです。
 自分の問題に向き合わず「政府が悪い、社会が悪い、親が悪い、学校が悪い」と家に引きこもり、ゲームやアニメに現実逃避するような精神性の人には是非見ていただきたい映画です。

   ◇

35M9302a2 さて、まりんこゆみ企画で始めたM93 Foxの中間報告ですが、ご覧の通り、何とかアメリカン・バージョン(つーかシステム自体は逆輸入されてるらしくてクラウツ版にも同じレイアウトのABCバージョンが存在します--NBCがゲルマン語の所為でABCになるのはお察し--)への改造が粗メド立ったというところでしょうか…。
そもそもRevellがABCバージョンとしてA6型を出した際に、ちゃんとやっといてくれたらこんな苦労せずに済んだんですが…。

35M9302d 右舷後ろに見える
デッカイのは、ここに大型ウインチが装備されてるんでそいつのカバーです。あと台形のキューポラとか全てプラ板の箱組でスクラッチとなっております。
ウインチの前方にはバンパーがありますので銅線を捻ってハンダ付けして作成したものを取り付けました。
使えるマテリアルてんこ盛りで可也の手作り感を醸していますね。 まぁメーカー図面を持っていませんからサイズや寸法は全て資料本の写真から読み取った比率計算などを用いて可也アドリブ利かせております。 個人的には雰囲気が出てれば35M9302cOKと考えてますんで多少の誤差・歪みはお許し下さい。世の中似たような方法で堂々と市場製品のプラモ出しちゃう『プロフェッショナルな会社』もあるんでアマチュアの僕を責めるのはお門違いです。

35M9302b 後部ドアのヒンジは頑丈そうに出来てまして、A6のキットを御持ちの方は御存知でらっしゃいましょうが、恐ろしいことにキットのバルジパーツは軸を含めドアと一体モールドでして使用に耐えません。バルジごとスクラッチの理由は正にそこに尽きるわけなんで、当然ヒンジも自作となります。
 ヒンジの軸となる円柱には、プラ材に適切な径(1.7mm~1.4mmくらい?)のモノが手持ちに無かった関係で1.6mmのブラス・パイプを使いました。大変なのがドア側に付く軸受けの工作なんですけども、1.6mmの穴を貫通させたプラ角棒を穴の周縁に沿って薄く曲面にトリミングした上にドア接合部を左右対称の楔型にし、同じ形状のものを4セット作らないといけないとか…どんな荒行なんだよ!と…。
35M9302g 当然いっぺんに4個とか無理なんで、上下2セットづつやるようにしました。その方が不揃いなのが判別しにくかろう…ということです。だもんで出来たのはまだ上側だけ…。中三日は置かないと出来ない仕事ですね…。ンな事云ってたら中川師匠に怒られますが(笑)。
その他詳細が前回より追加されているのは見てお判りかと思います。まだまだやることは残ってます。
35M9302e 前回申したとおり、各種取っ手などブラスで置換できるところは極力対処しています。オーバースケールなのと位置がまずいキットの穴を瞬着で埋めました。その関係で表面が荒れたためホルツの薄付パテで表面が汚く見えます。どうせサフェ塗るのでこれでOKです。
車外装備品としてはキットのパーツで使えるものは殆どありません。A6のキットをABCとして出した時、怒髪天を突かれたユーザが多いのもうなずけます。この辺タミヤまでとは云わずとも精々イタレリは見習えよとクラウツRevellに云いたいです。

35M9302f だもんでSGDはドラゴンのM1を買ってるとダダ余るのでそれを流用しました。左右のCIPなんかもそこらから引っ張ってくればOKでしょう。
 問題はデュアルBOXになっている、SGのカートリッジケースです。これは自作するしかありません。すげぇ面倒なフレーム形状なんだなコレ…以後ブログ更新が滞ったらコレに手間取ってると思っててくだせぇ(笑)。
 
 車輪はクルクル気持ちよく回転します。接地の確認で仮組み状態ですが、このキットはRevell製なので当然ステアリングが切れません。前部の4輪がシンクロする仕組み(それも前列後列で偏差がある)なのですが、例によってここの可動を検討中なので未接着となっています。上手く行かなきゃ諦めます。

 さて、個人的にとても好きな車両ゆえ始めましたが、当初の懸念もどこ吹く風で何とか形にはなっているようです。以下次回。




 

【フィギュア】Jackie (Hold on tight) 完成!( Masterbox 1/24 )

 全盛期の球児とウィリアムズが居たら三連勝してた筈のマツダ・ボールパークで赤鯉にスイープされ、ホウホウの体で甲子園に帰国したとたん中華街軍団をスイープと、帳尻合わせだけは上手な今年のタイガースですが、ドリスとマテオのドミニカン・コンビは『オレたちゃ絶対CARPを抑えられないぜ!』と信念を抱いてるようで、まぁ仕方がありませんね…。 ドリスなんか全盛期の工藤公康(現やわらか銀行の監督)のハートがあれば<<普通に>>誰も打てねぇと思うんだけどなぁ…。

   ◇

 さて、何かの序でにと云ってた筈の標題『Masterboxのジャッキーさん』ですが、ブログのネタも無いので『息抜きモデリング』なる箸休め枠(カテゴリー)を設けupさせていただく事にしました。NAVY&MARINESともに関係ない記事となりますので、興味ない方はここで読むのを止めて次回更新をお待ち下さい

 聊かブログの縛りとかけ離れはしますが、当局としてはモデリングというジャンルにおいて、決して無関係な技法の追求でもなかろうと、何らかのヒントが得られればという思いもありますが… 。ともあれ、例の徳間本で"マチルダ中尉"を作ってから数えて10体もないフィギュアの完成実績なので、おおよそブログで偉そうに講釈垂れる資格も無いですから、そこは誤解せず生暖かい目で見守って下され。折角『兵隊さん以外のプラモ・フィギュア』を出してくれてるMBさんを盛り上げてやろうか程度の、初心者同然の僕でさえ、何とかココまで作れますよ…という、気持ちばかりのアーティクルでございます。

24Jackie-02b 生贄のキットは前回御紹介した、『でんじゃらす・かーヴ』シリーズの1つでJackieさんですが、あのまま完成させても良かったとは思うものの、僕としては余りにも箱画との違いに少々イラっと来たので、せめてヘアースタイル位は変えてみましょう…と少しエポパテを盛りました。
パテを盛る都合で頭部はドボンして前回塗ったところは御破算にしました。ハンブロールは空気と化学反応して固着するエナメル塗料で、硬化後は剥がせませんが、下地をラッカーで塗ってあるためそこからペリリっと剥がせるのです。気に入らなきゃ何度でもやり直せるSheen's Methodです(笑)。
 何故、ラッカーで下地塗りかと申せば、生粋の『航空機モデラー』の私には、小さいフィギュアの塗装方法に要領を得ず、しからば航空機においての工程で何が一番近いのか?と自問自答して得たのが『コックピットや射出座席を仕上げる工程が合致するでなかろーか?』という結論。ラッカーの上からパネル、スイッチ類をエナメルで塗っていき、ハミ出たとこは生乾きのうちにシンナーで拭き取る。乾燥後クリアがけしてウォッシング…と言う段取りです。
これをそのままフィギュアの工程に適用するというのが一番馴染んでるようです。 ま、その前に一応『世に伝え聞くところの名人・職人の技法』は試しましたが全く上手くいかず(爆)…という前提もあります。やっぱ技法は人それぞれですなぁ。
 
24Jackie-02a2 前回、仮組みとしてお目にかけた写真でお判りいただけたかとは思いますが、このキットイマイチ作り手に配慮が欠けています。この御嬢はスリーブレスのボディコン・ワンピを纏っているのですが肩が胴体側に一体化されているというわけで、服と両腕&頭部は塗装後に組みたい(普通そうですよね?違うのかな?)とする向きには肩の接合線の処理から面倒な具合なのでした。
 で、この写真でお判りの通り袖から出た部分はくり抜いて、左右それぞれの上腕部に接着しています。もちょっと考えてくれMBの原型師様よ!
で、先に書いたとおり白で下地を塗り、艶消しクリアで薄めた肌色(Mrカラーのフィギュア用特色セットを混色して作ります)を薄く吹き重ねて手足を仕上げました。
24Jackie-02c224Jackie-02e相変わらず撮影が下手で、カメラの興味(?)が車(HEMI Cudaのコンバーチブル)の方に持ってかれて補正されちゃう様で、加えてピントも合わなくて苦労します。
やっぱ脚が太ましいよなぁ…。
今回下手にオリジナリティを主張せず、あくまで箱絵のイメージを追求。ボディコン・ワンピは24Jackie-02f阪急電車色に塗った後、ピンクパールをつや消しクリアで薄めたものを軽く吹いてラメの表現をしてみました。箱絵はブローチをつけていましたが、キットにそのモールドはなかったのでそのままです。
その代わりと言っちゃ何ですが、ノッペラボウだったハンドバックに何処かで見たようなバックルを自作して着けました。そういやパンプスも箱絵はオープン・トゥのヒール・ストラップでしたが、キットはバックストラップのみです。ココの塗りはフリーハンド。

24Jackie-02a3←さすがボディコン!派手なバナナイエローのクーダに似合います。
なんか上手く撮影ができなくて、せっかくグラデかけたのが補正されちゃって立体塗り絵然としてますな…。しかし、すっかり嵌ってしまいましたねこのシリーズ。高々1000円ほどでサクッと完成して、ある程度の達成感を得られます。オネーチャン・フィギュアって可也面白いぞ!

   ◇

さて、次回はFoxの中間報告の予定です。よろしくお願いします。
お付き合いいただけた方には感謝多謝!

MasterBoxの彼女たち…(1/35、1/24フィギュア)

 世間では夏休みも終わり、暦の上では秋を迎えようかという季節になってしまいました。またしてもタイガースが瀕死の燕を甲子園でスイープし、マジックも消えたり点いたりで判らんうちに赤鯉軍団に5.5ゲーム差です。一時はあれほど開いていたのに…。まぁ、優勝は無理だと判ってはいるんですが…。  
 そういやサッカー日本代表が首の皮一枚繋がってたところで昨夜オーストラリアに勝ち、6大会連続でW杯出場を確定しました。おめでとうございます。いや、阪神ヤクルト戦見てたんで内容は存じ上げないのですがね(爆)。

   ◇

 さて、まりんこゆみ企画のM93の途中経過でもと思いましたが、偶には息抜き企画を…ということで最近1/35、1/24辺りの秀作フィギュアを
続々と頑張って出してくれているマスターボックスの、それも女性フィギュアについてちょこっと書いてみます。
Bandai_Girl_Boxと言いながら、左の写真は最近発売なったバンダイのキャラモノキットです。
拙ブログのお硬い読者には全く縁のないシロモノですが、その価格の安さにつられて、ついガルパン絡みで買ってしまいます。お許し下さい。
しかし、しかしですよ!バンダイは凄いプラモメーカーだなぁ~と唸らされます。全くもって『何でこの内容でこの価格設定が可能なのか?』 驚くべき内容。 飛行機のスケールモデルをこの調子で出してはくれんものでしょうか?などと思わせられます。まぁ同じ女性フィギュアの一種として並べるものではありませんが、ハナシノタネとして…。

 さて本題。
VargasBook ま、今プライバティアを作ってるという事情から、『はて?マーキングどないすんねん?』となったときに『デカール売っとらへんし、キットのマーキング今ひとつやしなぁ…しゃぁないなぁ手描きも面倒やし』みたいな流れから、士気高揚のために資料眺めておったとです。

幸いWWIIピンナップガールの元ネタであるヴァルガスの画集は事欠かない…
VargasBook2で、まぁ、色々見つかって、適当なの使って自作デカール化するというプランがまとまったわけですが、それだけじゃ記事も薄味なので思いついた企画です。
海軍機では、それこそピンナップ・ガールが描かれたものは珍しく、プライヴァティアの元ネタB-24や17,25,26,29を擁する陸軍航空軍の足元にも及びません。そんな中にあって唯一独壇場といっていいのが海軍版リベレーターのPB4Y-1でして、当然その弟分であるプライヴァティアもそれに続きます。
そんな折、マスターボックス(以下MB)が…
MB_Girl_Box←このような製品をワンサと出しやがりました。
MBのサイト行けば判りますが、まぁ出すワ出すワ…昔は及びもつかなかった35や24スケールの『兵隊さんじゃないフィギュア』のオンパレードです。
楽しそうやなぁ、一つこさえてみたろやないか!という流れです。
でもなぁ…アニメ顔ならいざ知らず、リアルに振ってるやつで上手に塗れる自信があらしまへん…。
35Betty0235Betty01←まず1/35。もうね、眼が大変!
失敗したらリトライできるよう下地はラッカーで眼の書き込みをハンブロールで…とやってみましたが老眼には辛いものです。写真は実際より拡大になってるから微妙に見えますが、これでそこそこ手にとって20cm離して見たところでOKとなったわけですよ。全てはMBのキットが良く出来てるという点に尽きるでしょう。因みにこのネェチャンは箱絵だとパンプス履いてるのに、キットは裸足だったんで修正したんだよ、凄いでしょ?
24Jackie06←1/24。
ボディコン3人娘シリーズの一体だが"Jackie-Hold on tight"ってやつ。
箱絵詐欺だろ?コレは…。
1/24は細工が効くんで彫刻刀を使って、もうチョット美人に振って見ました。まぁ、目元弄って、出っ歯を矯正したくらいだから高が知れてますが…。
24Jackie02
コレなぁ、髪型バルカン星人やろ?
思わず耳尖らせたろか思いましたで(笑)。
塗り方は35と同じですが大きい分多少楽です。化粧はブッツケ本番で同じハンブロールで…
24Jackie03もう薄っすらで良いんですよ、薄っすらでね…。
←この方向からが一番美形か?
髪はブルネットだけどジャーマングレー薄めた位がちょうどいいです。写真だと補正の所為で明るく見えてますが実際はいい感じなんです。
24Jackie0424Jackie05MBのこのシリーズは確かに出来は宜しいのですが、私の好みから言うと脚が太ましい(笑)。
箱絵詐欺スレスレの微妙な感じです。外人さんはこの位の腿が良いんでしょうかねぇ?
成る程グラマラスではあります。
振り向きざまの笑顔ですんで、左右で眼の開き具合変えてんですけど雰囲気出てますでしょうか?
この段階ではイメージを確認するためなので接着はアクアリンカー。完成後は横にマッスルなアメ車が並ぶ予定です(笑)。

 一風変わったレポートになりましたがMBのこのシリーズでカーモデルに華を添えたいと画策してるご同輩の一助になりましたでしょうか?
え? 『ちっとも参考にならねぇーよ!』 ですか?そうですか?
失礼いたしましたー。

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(画像はガルパンのケイさん
-スクラッチです-)

こんにちは!
都内在住、楠木慎一と申します。
いろいろとやってます。
★主な仕様★
  • 昔モデルアートにレビューを書いていたことがある
  • 昔モデルグラフィックスに(以下同文)
  • ガンプラは嫌いだが、おそらく同じ世代の誰よりも作ったことがある。
  • 今はサラリーマン(BIPROGY:旧 日本ユニシス 雇用延長勤務)で最後の御奉公中です。
  • カワイイ♀のペルシャ猫を飼っている。
  • 後藤仁師匠の不出来な一番弟子です。


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